外国語学習の足跡

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仏検2級の一次試験を考察してみた 筆記編

 自分が仏検2級の一次試験を受けたのは、今から1年前です。かなり時間が経ってしまいましたが、持ち帰った問題冊子を見ながら当時のことを思い出して書きます。

 自分なりに考えたことをまとめ、以下に記しました。できるだけ客観的に表現したいという思いから、「です・ます調」ではなく、「である・だ調」の文章です。

 今年度における春季試験は中止となりましたが、今後の仏検2級受験予定の方の参考になれば幸いです。

  

 大問1

 前置詞群の中から適切なものを選び、空欄に入れる問題。

 2級となると、辞書を引いてすぐに出てくるような代表的な意味はまず問われない。前置詞と他の品詞との関わりについての知識問題という面がある。ある前置詞がどのような動詞や名詞と結びついてどのような意味を成すのかをいくつか知っておくことが求められる。「ラルースやさしい仏仏辞典 NIVEAU 1」に載っている前置詞の項目の内容を全部覚えるつもりで読んでおけばカバーできるはず。

 

大問2

 短い文の穴埋め問題。日本語の文の意味と対応するように、フランス語の文における空欄に適切な単語を入れる。

  2級となると、最初の一文字は書かれておらず完全な空欄である。問われるのは成句表現のため、ヒントにできるのは日本語の文よりも前後の単語である。必要なものはやはり語彙力であり、知識の有無で勝負が決まる大問である。ここまでの正答率が低かった場合、大問4以降の読解問題を全問正答する勢いで挽回しないと一次試験突破は厳しいはず。

 

大問3

 A、B2つの文がほぼ同じ意味になるように動詞群の中から適切なものを選び、活用させる問題。Bの文における動詞の部分が空欄になっている。

 準2級の考察でも書いた通り、時制→法→動詞の順で考えるのが望ましい。時制が複合過去の場合、助動詞にêtreが適用される動詞なのかavoirが適用される動詞なのかという点が問われる。移動や状態変化についての動詞と、代名動詞の用法を整理しておくと安心である。助動詞にêtreを使う場合、文章の主語を入念に確認して性数の一致を意識すること。

 法については、êtreとavoirの条件法現在と接続法現在を間違いなく覚えておくこと。

 2級ということで、動詞群の8個の動詞のうち半分以上を知っていることを前提とする。その中に知らないものが1つ2つあったら焦るかもしれないが、「いくらなんでもこれはAの文の内容とは対応しない」と思える、知っている動詞があるはず。その場合、消去法で選べる。勿論、動詞の活用形についての知識も必要だが、第1群動詞なら容易に活用させられる。第1群動詞以外でも、語尾を見て活用形の予想がつくくらいに動詞を見てきた経験値があれば焦ることはない。

 

 

大問4

 4つの段落(2019年度春季の場合)から成る文章の中に空欄が5つあり、それらに入る適切な文を7つの選択肢の中から選ぶ問題である。

 準2級の大問5についての考察と全く同じ内容なので割愛する。準2級との違いは、段落が1つ増えたことと語彙(特に動詞)の幅が広がったことである。

 

 

大問5

 インタビュアーと回答者のやりとりの文章の中に空欄が5つあり、それらに入る、適切な返答となる文を7つの選択肢の中から選ぶ問題である。

 大問4と形式がよく似ているため、考察は同様である。ただ、会話文ということで3人称視点の文章ではないため、話題になっているものに対して登場人物がどのような態度でいるかを考慮する必要がある。

 

 

大問6

 3つの段落(2019年度春季の場合)から成る文章を読み、6つの問題文の内容が本文と一致するかどうかを選ぶ問題。読解問題の中で最も得点しやすいものだろう。

 段落を1つ読み終えるごとに、問題文に目を移して1問か2問解くと効率的。本文における主体が単独行動なのか、誰かと行動を共にしているのかという判断は最初に行う。問題文の中の、何かの数量や年月を表す数字が出てくる部分に注意。本文と照らし合わせ、人や物がどれだけあるのか、ある期間で起きた出来事を確実に理解すること。

 

大問7

 2人の人物の会話文の中に空欄が5つあり、それらに入る、適切な返答となる文をそれぞれ3つの選択肢の中から選ぶ問題である。

 強い肯定や否定を表す相槌、間投詞、程度を表す副詞をおさらいしておくこと。子ども向けアニメに出てくるような表現で十分カバーできるはず。大問5と同様に、話題になっているものに対して登場人物がどのような態度でいるかを考慮する必要がある。